急速に進展する門脈血栓を発症した腹腔鏡下膵体尾部切除術後膵液瘻の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Pancreatic Fistula with Portal Vein Thrombosis which Grew Rapidly after Laparoscopic Distal Pancreatectomy
  • 症例 急速に進展する門脈血栓を発症した腹腔鏡下膵体尾部切除術後膵液瘻の1例
  • ショウレイ キュウソク ニ シンテン スル モンミャク ケッセン オ ハッショウ シタ フククウキョウ カスイタイ ビブ セツジョ ジュツゴスイエキロウ ノ 1レイ

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抄録

症例は68歳,女性.膵体部のIPMN(分枝型,腫瘍径34mm)の診断で腹腔鏡下膵体尾部切除術を施行した.術後第3病日に膵断端部ドレーン排液アミラーゼ値が213,000IU/lと高値であったが,排液量は15ml/日であり感染徴候もないため,翌日にドレーンを抜去した.しかし,第9病日の腹部CTにて膵液瘻に伴う膵仮性嚢胞と微小な門脈血栓を認めたため,ヘパリンを投与し保存的に経過観察していたが,第14病日のCTにて門脈血栓の著しい増大を認めた.膵仮性嚢胞に対しCTガイド下経皮的ドレナージを施行し,同部から造影したところ門脈との瘻孔形成を認めた.また,腹部血管造影では門脈内に充満する血栓が描出された.ドレナージ後に症状は著明に改善し,門脈血栓も消失した.本症例は,膵液瘻の病勢と共に門脈血栓は劇的に変化し,さらに膵液瘻と門脈が交通する極めてまれな病態を呈していた.若干の文献的考察を加え報告する.

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参考文献 (8)*注記

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