炎症性皮膚疾患における顆粒球,単球のC5a receptor及びC5L2発現

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タイトル別名
  • The Expressions of the C5a and C5L2 Receptors in Human Inflammatory Skin Diseases
  • エンショウセイ ヒフ シッカン ニ オケル カリュウキュウ タンキュウ ノ C5a receptor オヨビ C5L2 ハツゲン

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抄録

炎症性皮膚疾患における皮膚と末梢血中のC5a receptor(C5aR)及びそのサブファミリーであるC5L2の発現について検討した.皮膚病変部の免疫組織化学的検討では,C5aR及びC5L2は表皮と真皮に浸潤する炎症性細胞に陽性で,表皮,付属器,血管内皮の各細胞には,陽性所見はみられなかった.C5aRとC5L2の陽性率は,結節性紅斑,アナフィラクトイド紫斑の血管周囲などMyeloperoxidase(MPO)陽性好中球浸潤が強い場合に高く,乾癬とアトピー性皮膚炎の真皮では低かった.皮膚病変部切片の蛍光多重染色ではC5aRとC5L2の両者は,MPO陽性細胞とCD68陽性細胞に共発現していた.健常人末梢血細胞での蛍光多重染色においても,C5aR及びC5L2はMPO陽性細胞とCD68陽性細胞に共発現していた.炎症性皮膚疾患患者の全血におけるC5aR,C3aR及びC5L2のmRNAの発現量は,健常人よりも有意に亢進していた.以上より炎症性皮膚疾患においては,顆粒球(MPO陽性)あるいは単球(CD68陽性)細胞表面のC5aRの発現が亢進すると,C5L2も同時に発現が亢進し,これらが様々な皮膚病変形成に関与していることが推察された.

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