MAID療法が著効した血管肉腫の1例

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タイトル別名
  • The Significant Effects of MAID (Mesna, Adriamycin, Ifosfamide, and Dacarbazine) Combination Chemotherapy in a Case of Angiosarcoma
  • MAID リョウホウ ガ チョコウ シタ ケッカン ニクシュ ノ 1レイ

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抄録

60歳男性.前額部から頸部にかけて広範囲に存在する紅斑と結節を主訴に当科紹介受診となった.病理組織所見において異型性のある血管内皮細胞が,狭小な裂隙を形成しながら分岐癒合する索をなして増殖していた.免疫染色にてCD31,Factor VIII,D2-40,vimentinに陽性であり血管肉腫と診断した.明らかな遠隔転移は存在しなかったが,手術による完全切除が不可能と判断し,MAID(Mesna,Adriamycin,Ifosfamide,Dacarbazine)療法を行った.grade 4の好中球減少とそれに伴う発熱を認めたが,G-CSF製剤と抗生剤投与により軽快した.非血液毒性は,grade 2の脱毛とgrade 1の嘔気,倦怠感等を認めたが,出血性膀胱炎や心機能低下は認めなかった.1コース終了後より著明に腫瘍が縮小しPR(partial response)が得られた.MAID療法は,標準的治療が確立されていない血管肉腫において有用な治療方法の一つであると思われる.

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参考文献 (12)*注記

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