Botulinum毒素療法を施行した脳性麻痺児にみられたos odontoideumによる頚髄症の1例

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  • Cervical myelopathy associated with os odontoideum after botulinum toxin treatment in a patient with cerebral palsy

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抄録

 患者は早産・核黄疸に起因する脳性麻痺の男児でdystoniaが主症状だった. 3歳6カ月時にbotulinum毒素 (BoNT-A) 療法を施行し, dystoniaの改善を見たが, 頚部の過剰な前屈と嚥下障害の副作用が出現したため, 再投与は中止となった. dystoniaの再燃はなかったが, 8歳時に四肢の自発運動低下と足クローヌス出現, 画像で上位頚髄に囊胞性病変とos odontoideum (OO) を認めた. OOによる頚髄症と診断し頚椎後方固定術により症状および画像所見は改善した. 本例では, OOの成因は不明であるが, OOによる頚髄症の発症にBoNT-A療法後の頚部の過剰な前屈運動の経過が関与した可能性も推察された.

収録刊行物

  • 脳と発達

    脳と発達 46 (4), 307-310, 2014

    一般社団法人 日本小児神経学会

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