Wide QRS頻拍の鑑別診断アルゴリズム (Brugada, Vereckei, aVR) の比較検討

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抄録

Wide QRS頻拍 (WCT) の鑑別法としてBrugada (1991年), Vereckei (2007年), VereckeiのaVR (2008年) の各アルゴリズムが提唱されたが精度は明らかでない. 96例のWCTに対して3つのアルゴリズムを適用し, それぞれの診断精度を検討した. 96頻拍中, 64は心室頻拍 (VT), 32は上室頻拍 (SVT) であった. 感度, 特異性, 正診率は, Brugadaがそれぞれ83%, 66%, 77%, Vereckeiが75%, 91%, 80%, aVRが81%, 72%, 78%であった. 房室解離はVTの診断の特異度が100%であったが感度が8 %と低かった. アルゴリズムの中で脚ブロックの判別が要求される場合, 判読者の主観が大きく影響した. VTの診断において, より客観的で感度, 特異度の高い (それぞれ30%, 90%以上) 診断基準は, ①胸部誘導のRS幅>100ms (感度31%, 特異度91%) ②Vi/Vt≤ 1 (感度58%, 特異度97%) ③aVR誘導のinitial R (感度30%, 特異度100%) であった. ①②③を用いたアルゴリズムの感度は73%, 特異度は88%, 正診率は78%で, 客観的であり, VTの診断に有用と考えられた.

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 41 (SUPPL.4), S4_132-S4_132, 2009

    公益財団法人 日本心臓財団

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