心房心筋炎を期に偽性心室頻拍, 房室回帰頻拍を発症し, その後新たな副伝導路が出現したと考えられるWPW症候群の幼児例

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Acute onset of pseudo ventricular tachycardia and late appearance of neo accessory pathway after acute atrial myocarditis in an infant with Wolff-Parkinson-White syndrome

この論文をさがす

抄録

5歳男児. 既往歴に特記すべきことはない. 入院当日, 突然の嘔気, 顔色不良を主訴に前医を受診した. 不整脈を認め, ATP, リドカインの静注が無効であったため, 当院に紹介された. 全身状態不良で約 1時間の経過で心拡大が進行したため, 心筋炎を疑い経皮的心肺補助装置 (PCPS) を導入した. PCPS開始後, wide QRS頻拍は停止し, デルタ波とnarrow QRS頻拍を認めた. 翌日以降頻拍を認めず, 入院 3日目にPCPSを離脱した. 入院36日目に高周波カテーテルアブレーション (RFA) を行い, 右側前壁副伝導路を利用する房室回帰頻拍が根治したが, 1カ月後新たな副伝導路が出現し, 再度RFAを行った. 器質的心疾患のない幼児に認める偽性心室頻拍は極めて稀であり, このような場合に心房心筋炎の合併も考慮する必要がある. また, 心房心筋炎後に新たな副伝導路が出現した可能性のある稀な症例と考えられた.

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 45 (SUPPL.3), S3_98-S3_102, 2013

    公益財団法人 日本心臓財団

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ