-
- 池田 健次
- 虎の門病院肝臓センター
書誌事項
- タイトル別名
-
- Recent advances in the treatment of hepatocellular carcinoma
この論文をさがす
抄録
2013年よりバイポーララジオ波凝固療法が使用可能となり,腫瘍に触れないで複数の電極針を結節周囲に配置して焼灼するno touch ablation手技を通して,大型焼灼域作製・肝癌播種・再発率低減などを目指す工夫が可能となった.中期進行肝癌に対しては,マイクロバルーンカテーテルによるバルーン閉塞下肝動脈化学塞栓療法が行われるようになり,2014年からはビーズ製剤が登場し,TACE治療の選択ツールが増加した.抗癌剤選択に加えて,個々の腫瘍に対してこれらの治療手技をどのように使い分けるかが大きな課題である.進行肝癌に対する持続動注化学療法や分子標的薬に関しては,最近は目新しい話題は見られないが,門脈浸潤例や合併症による治療困難症例に対する放射線治療(粒子線・定位放射線)の有用性に期待がもたれる.
収録刊行物
-
- 日本消化器病学会雑誌
-
日本消化器病学会雑誌 112 (1), 18-23, 2015
一般財団法人 日本消化器病学会