サツマイモを蒸した際のマルトース生成に及ぼす塊根の<i>β</i>-アミラーゼ活性およびデンプン糊化温度の影響

  • 中村 善行
    独立行政法人農業·食品産業技術総合研究機構 作物研究所
  • 藏之内 利和
    独立行政法人農業·食品産業技術総合研究機構 作物研究所
  • 高田 明子
    独立行政法人農業·食品産業技術総合研究機構 作物研究所
  • 片山 健二
    独立行政法人農業·食品産業技術総合研究機構 作物研究所

書誌事項

タイトル別名
  • The Effects of <i>β</i>-Amylase Activity and Starch Pasting Temperature on Maltose Generation in Steamed Storage Roots of Sweet Potato
  • サツマイモを蒸した際のマルトース生成に及ぼす塊根のβ-アミラーゼ活性およびデンプン糊化温度の影響
  • サツマイモ オ ムシタ サイ ノ マルトース セイセイ ニ オヨボス カイコン ノ v-アミラーゼ カッセイ オヨビ デンプンノリカ オンド ノ エイキョウ

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抄録

調理後の甘さが大きく異なる多様なサツマイモ品種·系統や育種素材を供試して,塊根のβ-アミラーゼ活性およびデンプンの含量,糊化温度と蒸しいものマルトース含有率との関係を調べた.マルトース含有率はβ-アミラーゼ活性の上昇に伴って増加したが,活性が約0.2 m mole maltose/min/mg proteinを越えると含有率の増加は抑制された.マルトース含有率とデンプン含有率との間には相関が認められなかったが,デンプン糊化温度との間には弱い負の相関が認められた.特に,β-アミラーゼ活性が高い塊根では糊化温度が低いほどマルトース含有率が高い傾向が見られた.また,デンプンの糊化温度が比較的高い品種「ベニアズマ」を本州より気温の低い北海道で栽培すると,糊化温度が有意に低下し,β-アミラーゼ活性は同等かあるいはそれ以下にも拘わらず,マルトース含有率が有意に高くなった.サツマイモの加熱調理に伴うマルトース生成には塊根のβ-アミラーゼ活性に加えてデンプンの糊化し易さも重要であると考えられた.

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