感染性胃腸炎~ノロウイルス感染症~

書誌事項

タイトル別名
  • Infectious Gastroenteritis -Norovirus Infection-
  • 医学と医療の最前線 感染性胃腸炎 : ノロウイルス感染症
  • イガク ト イリョウ ノ サイゼンセン カンセンセイ イチョウエン : ノロウイルス カンセンショウ

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抄録

ノロウイルスは全世界的に分布し,乳児から高齢者まで全年齢の人に感染する.GII/4に分類されるウイルスが,我が国を含め世界的に流行している.ノロウイルスは経口感染し,人から人への感染が集団発生事例の主要感染経路である.悪心,嘔吐,下痢,腹痛,発熱が本症の主症状で,潜伏期間は12時間~2日程度である.症状は1~3日で改善し通常の予後は良好であるが,高齢者や乳幼児では脱水状態に陥り易く,高齢者ではさらに吐物による窒息や誤嚥性肺炎を発症することもある.本症に有効な抗ウイルス薬は存在せず,脱水対策が重要である.症状消失後も便からノロウイルス自体やその遺伝子が検出され,細胞性免疫が抑制された状態ではウイルス排泄期間が長期化する.感染者への対応は,石鹸と流水による手洗いを重視した標準予防策を基本とし,失禁状態やおむつ使用患者の診療時,吐物や便の処理時には接触予防策を加える.消毒薬として次亜塩素酸ナトリウムが有効である.

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参考文献 (26)*注記

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