種々の三官能性ポリアセタールポリオールとそれによる分解・リサイクル性架橋ポリウレタンの合成

  • 飯沼 篤
    福井大学大学院工学研究科材料開発工学専攻
  • 橋本 保
    福井大学大学院工学研究科材料開発工学専攻
  • 漆﨑 美智遠
    福井大学大学院工学研究科材料開発工学専攻
  • 阪口 壽一
    福井大学大学院工学研究科材料開発工学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Synthesis of Trifunctional Polyacetal Polyols with Various Main-Chain Structures and Properties of Chemically Recyclable Crosslinked Polyurethanes Prepared Therefrom
  • シュジュ ノ サン カンノウセイ ポリアセタールポリオール ト ソレニ ヨル ブンカイ ・ リサイクルセイ カケハシ ポリウレタン ノ ゴウセイ

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抄録

酸の作用により室温で容易に分解するアセタール結合を導入した三官能性ポリアセタールポリオールを,ヒドロキシ基を有する種々のビニルエーテル[4-ヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE),2-ヒドロキシエチルビニルエーテル(HEVE),ジエチレングリコールモノビニルエーテル(DEGV),シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル(CHMVE)]をグリセリン存在下で重付加反応させることでそれぞれ合成した.そして,得られた各ポリオールを,2,4-トリレンジイソシアナート(TDI)と120°Cで15時間反応させ,フィルム状に成形された各架橋ポリウレタン(PHBVE-PU,PHEVE-PU,PDEGV-PU,PCHMVE-PUとそれぞれ表記する)をそれぞれ合成した.各ポリウレタンのガラス転移温度(Tg)は,主鎖構造に依存して,PHBVE-PUが-58°C,PHEVE-PUが-41°C,PDEGV-PUが-50°C,PCHMVE-PUが10°Cであった.熱分解温度(Td)は,PHBVE-PUが290°C,PHEVE-PUが274°C,PDEGV-PUが293°C,PCHMVE-PUが312°Cであり,熱的に安定であった.各ポリウレタンの動的粘弾性試験(DMA)においてゴム状平坦領域は,およそ0°C∼150°C付近で観測された.また,HEVEから得られた親水性のポリオールとPHEVE-PUは温度応答性を有していた.各ポリアセタールポリウレタンは,THF/H2O(9/1 v/v)混合溶媒中で塩酸を作用させると,室温にて24時間でアセタール結合が加水分解し,各ポリオールの構造に対応したジオールを生成した.

収録刊行物

  • 高分子論文集

    高分子論文集 72 (1), 7-15, 2015

    公益社団法人 高分子学会

参考文献 (2)*注記

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