皮膚原発悪性黒色腫の子宮転移の1例

  • 原田 佳代
    国立病院機構九州医療センター皮膚科・臨床研究センター
  • 前 川 朋子
    国立病院機構九州医療センター皮膚科・臨床研究センター
  • 加来 裕美子
    国立病院機構九州医療センター皮膚科・臨床研究センター
  • 小 川 昌宣
    国立病院機構九州医療センター婦人科
  • 今山 修平
    今山修平クリニック&ラボ
  • 占部 和敬
    国立病院機構九州医療センター皮膚科・臨床研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Uterine Metastasis of Primary Cutaneous Malignant Melanoma
  • 症例 皮膚原発悪性黒色腫の子宮転移の1例
  • ショウレイ ヒフ ゲンパツ アクセイ コクショク シュ ノ シキュウ テンイ ノ 1レイ

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抄録

62 歳,女性。2005 年後頭部の黒色腫瘍に気づき,2006年6月近医にて切除し,悪性黒色腫の診断にて,当 科 紹介 受診となった。7 月に 拡 大切除(T4bN0M0, stage II C)を 行 い,術 後 DAV-feron(DTIC/ACNU/VCR + IFN-β)療法を3クール施行した。経過観察中 2011 年 7 月に 5-S.C.D. 31.5 nmol/l と上昇し,同月の PET-CT で腫大子宮の一部,および左上内深頚部リンパ節領域に異常集積を認めた。 2010 年 7 月より多発子宮筋腫の診断で当院婦人科にて経過観察中であったが,2011 年8月に MRI にて閉経後子宮筋腫の増大と子宮左側に充実部分の出現を認め,2011 年9月に子宮摘出術と両側付属器切除術を施行した。摘出された子宮は肉眼的に黒色調を呈し,病理も悪性黒色腫子宮転移の診断であった。術後CDV(CDDP/DTIC/VDS)療法 3 クール施行し,現在 5-S.C.D. は正常化し,PET-CT で認めた異常集積は,頚部も含め消失した。本症例は不正性器出血などの症状を認めず,経過観察中に 5-S.C.D. の上昇があり,画像所見と合わせ転移を発見でき,治療が可能であったが,通常,悪性黒色腫患者の診療においては採血・画像検査と共に,患者の自覚症状にも気を配り,転移のサインを見逃さないことが重要である。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 76 (2), 100-104, 2014

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (5)*注記

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