ビスフォスフォネート製剤に関連した顎骨壊死の4症例

  • 吉仲 正記
    大阪厚生年金病院歯科口腔外科 大阪大学大学院歯学研究科顎口腔機能再建学講座
  • 藤本 佳之
    大阪厚生年金病院歯科口腔外科
  • 古谷 暢子
    大阪大学大学院歯学研究科顎口腔機能再建学講座
  • 前田 芳信
    大阪大学大学院歯学研究科顎口腔機能再建学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Four Cases of Bisphosphonate Related Osteonecrosis of the Jaws

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抄録

ビスフォスフォネートは, 骨疾患に対する高い治療効果から使用される症例が増加している。一方, 近年同薬剤に関連した顎骨壊死が多数報告されている。本研究の目的はビスフォスフォネートに関連した顎骨壊死4例について報告および考察することである。<BR>症例1 : 乳癌骨転移にてゾレドロネート (ゾメタ®) を投与されていた患者で, 右下7抜歯後, 顎骨壊死を起こし骨露出が拡大していった。左上6部は顎骨壊死が自然発症した。<BR>症例2 : 乳癌骨転移にてゾレドロネート (ゾメタ®) を投与されていた患者で, 右上3抜歯後4カ月して同部に骨露出を認めた。<BR>症例3 : 乳癌骨転移にてゾレドロネート (ゾメタ®) を投与されていた患者で, 右上4が自然脱落した後, 同部に骨露出を認めた。<BR>症例4 : 骨粗鬆症にてアレンドロネート (ボナロン®) を投与していた患者で, 右下顎の顎骨壊死から顎下部に外歯瘻と下顎の病的骨折を認めた。<BR>近年, ビスフォスフォネート製剤を投与される患者が増加していると考えられる。われわれ歯科医師はその有益性とリスクについて十分に理解し, 医科主治医との連携を密に行い, なるべく抜歯等の外科的処置はビスフォスフォネート投与前に行い, 投与後は口腔衛生状態を良好に保つように努める必要があることが示唆された。

収録刊行物

  • 老年歯科医学

    老年歯科医学 24 (2), 97-102, 2009

    一般社団法人 日本老年歯科医学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (28)*注記

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