下顎骨に発生した骨未分化高悪性度多形肉腫の1例

  • 山田 朋弘
    九州大学大学院歯学研究院口腔顎顔面病態学講座口腔顎顔面外科学分野
  • 北村 直也
    高知大学医学部歯科口腔外科学講座
  • 笹部 衣里
    高知大学医学部歯科口腔外科学講座
  • 山本 哲也
    高知大学医学部歯科口腔外科学講座

書誌事項

タイトル別名
  • A case of undifferentiated high-grade pleomorphic sarcoma arising in the mandible

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抄録

骨未分化高悪性度多形肉腫は多形性を有し,特定の組織への分化を示さない高悪性度の肉腫である。今回われわれは,下顎骨に発生した未分化高悪性度多形肉腫の1例を経験したので報告する。患者は66歳の女性で,右側オトガイ部の知覚異常を主訴に来科した。右側頰部に2cm大の弾性軟の腫瘤を触知した。パノラマX線写真にて右側下顎埋伏智歯歯冠周囲のX線透過像が認められ,CT画像では右側下顎枝前縁に位置し造影性を有する径2cmの腫瘤性病変と虫食い状骨吸収を認め,MR画像ではT1強調画像にて下顎枝の骨髄信号の低下を認めた。生検にて肉腫と診断されたため,下顎半側切除術,頸部郭清術および大胸筋皮弁による再建術を施行した。切除物の最終病理組織診断は骨未分化高悪性度多形肉腫であった。現在,術後1年2か月が経過したが,腫瘍の再発や転移は認めていない。

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参考文献 (2)*注記

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