腸間膜膿瘍を形成した回腸憩室穿通の1例

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タイトル別名
  • A Case of Mesenteric Abscess Caused by Penerated Diverticulum of the Ileum

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抄録

症例は52歳,男性.上腹部痛を認めたため近医を受診した.胃薬を処方されたが症状が増悪したため3日後に当院消化器科を受診した.来院時,発熱,右下腹部の圧痛,および反跳痛を認めたものの筋性防御は認めなかった.血液検査所見では炎症反応の上昇を認めた.腹部CT検査では回腸末端部と思われる部位の著しい浮腫を認め,回腸炎と診断した.保存的治療にて経過観察していたが,翌日に腹膜刺激症状を伴う腹痛の増強が認められたため,再度腹部造影CT検査を施行した.回腸末端に穿孔部と思われる壁の欠損部と連続するairを含んだ膿瘍腔を認めた.回腸穿孔と診断し,回盲部切除術を施行した.摘出標本では回盲弁から約3cm口側の回腸に腸間膜内への穿通を認め,病理組織学的所見とあわせ回腸憩室穿通による腸間膜膿瘍と診断した.術後経過は良好で術後第9病日に軽快退院した.

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参考文献 (6)*注記

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