自己管理中に生じた人工肛門穿孔の1治験例

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  • A Spontaneous Perforation of Colostomy that Occurred in Self-Care

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抄録

症例は69歳女性.15年前に下部進行直腸癌の診断にて腹会陰式直腸切断術を受けている.以降,人工肛門の自己管理を継続していた.2012年10月,便秘のため人工肛門周囲を指で圧迫し摘便を施行.その後,人工肛門周囲痛が出現し近医受診.人工肛門周囲皮膚炎の診断にて当院紹介となる.初診時,人工肛門周囲の発赤腫脹著明.圧迫にて人工肛門周囲より膿の排出を認めた.人工肛門部の結腸穿孔に伴う腹壁膿瘍と診断.入院後,横行結腸による双孔式人工肛門を造設.その後,人工肛門周囲の炎症が改善し退院.2013年2月,横行結腸人工肛門閉鎖術およびS状結腸人工肛門再造設を施行した.自己管理中の人工肛門損傷は稀で本邦では3例の報告例のみである.摘便操作に伴う人工肛門損傷のメカニズムは不明である.自験例では傍ストーマヘルニアが存在していたため,人工肛門の腹壁貫通部分の組織が弱く,用手圧迫により同部結腸に圧が加わり穿孔したものと思われた.

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参考文献 (3)*注記

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