子宮内避妊具が誘因となった子宮留膿腫穿孔の1例

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タイトル別名
  • A case of perforative pyometra caused by an intrauterine device

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抄録

症例は76歳の女性。突然の腹痛を主訴に近医を受診し,腹部造影CT検査にて上腸間膜動脈血栓症を疑われ,他院へ紹介となった。その際に実施したCT再検査で,腹水の増大と子宮の腫大および壁肥厚を認め,子宮穿孔も否定できないことから,原因精査と加療目的に当センターへ救急搬送された。当センター搬入後の精査で,子宮留膿腫穿孔による汎発性腹膜炎と診断し,緊急開腹術を施行した。術式は単純子宮全摘術および両側付属器切除術を実施した。術後の病理所見で子宮頸部から子宮内避妊具が検出された。子宮内避妊具が誘因となり子宮留膿腫を形成し,子宮内圧を上昇させたことが子宮穿孔を引き起こした原因と考えられた。術後経過は良好で,患者は第9病日に婦人科病棟へ転棟となった。子宮留膿腫穿孔は下部消化管穿孔と鑑別が難しい場合がある。CT検査で子宮腔内のガス像を伴う低吸収域に着目し,本疾患の場合は術前に確定診断すべきである。また子宮内避妊具が子宮留膿腫穿孔の原因となることも認識しておくべきである。

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