T細胞サブセット特異的ガングリオシド発現の生理的意義

  • Nagafuku Masakazu
    Division of Glycopathology, Institute of Molecular Biomembrane and Glycobiology, Tohoku Pharmaceutical University
  • Inokuchi Jin-ichi
    Division of Glycopathology, Institute of Molecular Biomembrane and Glycobiology, Tohoku Pharmaceutical University

書誌事項

タイトル別名
  • The Physiological Significance of Ganglioside Species Selectively Expressed on Individual T Cell Subsets

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抄録

ガングリオシドは細胞膜マイクロドメイン(ラフト)の主要な構成成分である。T細胞の分化および機能におけるガングリオシドの役割はよくわかっていない。CD4+ TとCD8+ T細胞はそれぞれa-シリーズとo-シリーズのガングリオシドという異なるガングリオシド分子種を優位に発現している。この発現と一致して、a-シリーズを欠損した場合はCD4+ Tの機能が、o-シリーズを欠損した場合はCD8+ T細胞の機能が障害される。ガングリオシドGM3合成酵素の欠損はa-シリーズガングリオシドの欠如をもたらし、CD4+ T細胞依存性の気道炎症反応(アレルギー喘息のマウスモデル)が軽減される。CD4+ TとCD8+ T細胞の細胞膜上では異なるガングリオシド分子種を含む多様なラフトが形成され、それは各T細胞サブセットの免疫機能に重要であることが示唆される。本稿では、T細胞サブセットに発現するガングリオシド分子種の特異的な役割に焦点を当てて論じたい。

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