中央構造線沿いは熱いか？

• 吉田 明夫

  神奈川県温泉地学研究所

• 高山 博之

  気象庁精密地震観測室

• 細野 耕司

  気象庁地震火山部

書誌事項

タイトル別名

• Is the zone along the Median Tectonic Line hot?
• チュウオウ コウゾウセン ゾイ ワ アツイ カ?

抄録

紀伊半島から四国にかけて東西に走る中央構造線の南側ゾーンの地震発生層は異常に浅い。ここで“異常に”と言ったのは，一般に地形高度と地殻内の地震発生層の深さとの間には，標高が高いほど浅くなるという相関関係が認められるが，このゾーンには和歌山平野や徳島平野等の低地が存在するにもかかわらず，火山フロント沿いの山地の地震発生層と同じくらいに浅いということを表わしている。地震発生層の下限の深さは，地殻物質が脆性から粘弾性に変わる温度によって規定されていると考えると，地震発生層が浅いということは地殻内の温度が相対的に高くなっていることを示す。なぜ，中央構造線の南側のゾーンは高温になっているのか。これについては，同ゾーン内の和歌山の群発活動域において熱水の上昇が推定されていることを参考にすると，そこには地下深部から高温の流体が上昇していることが考えられる。

収録刊行物

• 日本水文科学会誌

  日本水文科学会誌 43 (4), 111-117, 2013

  日本水文科学会

キーワード

• 中央構造線
• 地震発生層
• 和歌山群発地震活動
• 地殻内温度構造
• スラブからの熱水

詳細情報

• CRID: 1390001204422196992
• NII論文ID: 130004843902
• NII書誌ID: AA11123427
• DOI: 10.4145/jahs.43.111
• ISSN: 18837166
• ISSN: 13429612
• NDL書誌ID: 025159783
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I025159783
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • NDL
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可