農業センサス個票を用いた離農要因の地域別分析

書誌事項

タイトル別名
  • Analysis of Farm Exit Factors by Region from Agricultural Census

抄録

2010年農業センサスは,農地流動化の兆しも見られたものの,基本的には我が国農業の構造的弱体化を再認識させる内容であった.そして今,第2次安倍内閣の発足とともに進展した円安やTPP参加によって,農家はますます厳しい国際競争に巻き込まれようとしている.こうした状況の中,持続的で力強い農業を構築するためには,国の将来ビジョンに沿って重点化させた効率的な政策が求められる.本研究は,そうした政策策定には農業・農村の有する地域特性を考慮すべきであるという考えのもと,農業構造を左右する離農要因について地域別に明らかにした.2005年と2010年のセンサス個票を組み替え,その間に離農した農家の属性を統計的に検討した結果,高齢で後継者がいないことや,小規模農家であることなど,従来指摘されてきた典型的な離農要因が多くの地域で検出された.一方,営農類型や共同利用組織への参加態度など,地域によって離農への影響が全く異なる要因の存在も確認された.本研究で得られたこれら地域固有の離農要因に関する知見は,今後の政策策定場面での基礎資料となることが期待される.また,本研究では,大きなサイズのデータを計量分析する際に発生するいくつかの問題点についても検討し,それらを回避するための方法を提示することで農業情報処理学分野の学術的知識の増大を図っている.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282679439387008
  • NII論文ID
    130004848814
  • DOI
    10.3173/air.23.72
  • ISSN
    18815219
    09169482
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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