イラストを用いた食品中の残留農薬量の理解度の検討

DOI
  • 朴 ソラ
    韓国国際大学校産業デザイン学科 千葉大学大学院工学研究科 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所
  • 増田 知尋
    独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所
  • 村越 琢磨
    独立行政法人理化学研究所 理研BSI−トヨタ連携センター
  • 川﨑 弥生
    日本大学文理学部
  • 内海 建
    独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所
  • 木村 敦
    独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所 東京電機大学情報環境学部
  • 小山 慎一
    千葉大学大学院工学研究科
  • 日比野 治雄
    千葉大学大学院工学研究科
  • 日野 明寛
    独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所 日本製粉株式会社中央研究所
  • 和田 有史
    独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Usefullness of an illustrated visual aid to promote consumer risk perception on the amount of pesticide residue in food

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抄録

目的:残留農薬に関する知識が十分でない消費者に,適切な残留農薬量の理解を促すためのイラスト表記を開発し,その理解度を検討することを目的とした.<br>方法:大学生および大学院生80人を対象に横断研究を行った.文章のみ,累積正規分布関数のグラフと文章,農薬量を一次元で示したイラストと文章の3種類の説明表記のうちどれか1種類を添付した質問紙を配布した.回答は,無毒性量,一日摂取許容量,残留農薬基準の3段階の残留農薬条件以下の農薬が残留している架空の農産物について,安全性に関わる3つの質問項目にビジュアルアナログスケールを用いて評定させた.安全性評価の相対的な大きさが残留農薬量の順序と一致した場合を正答として条件ごとに正答率を算出し,χ2 検定を行った.<br>結果:すべての質問項目で正答率に有意な偏りがみられた(p<0.05).残差分析の結果,「文章+イラスト」条件では正答率が期待値よりも一貫して高かった(59.3~70.4%).一方で,「文章のみ」では正答率は期待値との差はなかった(41.4~55.2%).また,「文章+グラフ」では,どの程度安全であると感じるか,自分が食べようと思うかの質問で期待値よりも正答率が低かった(16.7~33.3%).<br>結論:グラフは残留農薬量の適切な理解を促進しないが,一次元で表したイラストは促進することが示唆された.

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