在宅高齢者における自宅内転倒への意識

DOI
  • 川南 公代
    武蔵野大学看護学部看護学科(前順天堂大学医学部公衆衛生学講座)
  • 山路 義生
    医療法人社団友志会ライフケアクリニック希望
  • 堀口 逸子
    長崎大学広報戦略本部(東京事務所) 順天堂大学医学部公衆衛生学講座
  • 丸井 英二
    人間総合科学大学人間科学部
  • 鈴木 晃
    日本大学工学部建築学科

書誌事項

タイトル別名
  • Perception of falls among older adults living at home: a qualitative analysis using the KJ method
  • ―KJ法による分析―

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抄録

目的:本研究では,在宅高齢者の自宅内転倒に対する意識の特徴を質的に明らかにすることを目的とした.<br>方法:対象者は,東京都内の一在宅療養支援診療所を受診している都内在住の日常生活が自立している75歳以上8世帯10名(男性4名,女性6名)であった.訪問調査にて,半構造化面接によるインタビューと観察を実施した.インタビュー内容は,自宅内における転倒や転倒しそうになった経験,転倒しないようにしていること,知人の転倒経験であった.内容は録音し,逐語録を作成した.転倒に対する意識を抽出し,KJ法を用い分析した.<br>結果:都市部における在宅高齢者の自宅内転倒に対する意識には,〈注意・気をつけている〉があり,対立する関連に〈気をつけていることはない〉があった.〈注意・気をつけている〉と関連した意識は〈他人の転倒経験〉,〈転倒のイメージ〉,〈衰えがわかる〉,〈気をつけようと思う〉,〈あっ,危ないと思う〉で,〈気をつけていることはない〉と関連したのは〈安全・大丈夫と思っている〉の意識であった.また,〈つい,うっかり〉,〈誤解がある〉の意識もあった.<br>結論:〈注意・気をつけている〉は,主に転倒不安や恐怖感,老性自覚,転倒の危険性と関連し,〈気をつけていることはない〉は,転倒自己効力感,過信や利便性を優先する意識と関連していた.転倒予防の健康教育においては,これらの高齢者の意識を考慮することが重要である.

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