終夜睡眠ポリグラフィが捉えた、複雑部分発作に伴う発作性心停止

  • 塚田 恵鯉子
    国立精神・神経医療研究センター病院臨床検査部 筑波大学附属病院精神神経科(2014/4/1から)
  • 木村 綾乃
    国立精神・神経医療研究センター病院臨床検査部
  • 亀井 雄一
    国立精神・神経医療研究センター病院臨床検査部
  • 瀬川 和彦
    国立精神・神経医療研究センター病院循環器科
  • 岡本 智子
    国立精神・神経医療研究センター病院神経内科
  • 渡辺 雅子
    国立精神・神経医療研究センター病院精神科

書誌事項

タイトル別名
  • Ictal Asystole in Complex Partial Seizure Captured by Polysomnography

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抄録

てんかん患者における予期せぬ突然死は、SUDEP(sudden unexpected death in epilepsy)と呼ばれ、近年注目をあびている。我々は、終夜睡眠ポリグラフィ検査(PSG)中に複雑部分発作に伴う発作性心停止を呈したてんかん患者を経験したので報告する。症例は66歳女性。10歳で全身のけいれん発作が出現し、54歳以降は全身のけいれん発作は消失した。66歳で夜間にベランダに出る異常行動を認め、睡眠時随伴症疑いでPSGを行った。中枢性無呼吸に続き、脳波上広汎性の高振幅徐波、続いて15秒の心停止を認めた。その間、患者は側仰位で目を開閉するのみであった。複雑部分発作に伴う発作性心停止と考え、抗てんかん薬の調整を行った。本症例のように、けいれんでなく複雑部分発作時にも発作性心停止が併発するおそれに留意する必要がある。その上で、てんかん患者のPSGや長時間ビデオ脳波検査では、SUDEPのリスク軽減目的で、充分な観察やSpO2モニター、ECGアラームの設置が重要と考えた。

収録刊行物

  • てんかん研究

    てんかん研究 32 (3), 548-555, 2015

    一般社団法人 日本てんかん学会

参考文献 (20)*注記

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