生体内リン恒常性維持機構―多臓器連関制御

  • 辰巳 佐和子
    徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 分子栄養学分野
  • 金子 一郎
    徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 分子栄養学分野
  • 瀬川 博子
    徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 分子栄養学分野
  • 宮本 賢一
    徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 分子栄養学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Inorganic phosphate homeostasis: crosstalk between kidney and other organs
  • セイタイナイ リン コウジョウセイ イジ キコウ : タゾウキ レンカン セイギョ

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抄録

無機リン酸(以下リン)は、細胞膜構成、エネルギー代謝、酵素反応を含むさまざま生理学的機能に必須な栄養素である。血中リン濃度の維持は主に腎臓、腸管および骨が担っている。そしてリンを輸送するトランスポーターの働きによって厳密に制御されているのである。このトランスポーターの発現調節は、古典的にはリン調節ホルモンである副甲状腺ホルモン(PTH)、1,25-dihydroxyvitamin D3によって知られてきた。近年、最初に同定されたフォスファトニンであるfibroblast growth factor 23(FGF23)のリン利尿作用についての研究が飛躍的に進んだ。FGF23は骨細胞から分泌され遠隔臓器である腎臓に作用しリン排泄を制御することから、リン代謝における骨腎連関が重要であることが認識された。本稿では多臓器にわたる生体内リン恒常性維持機構について最近の知見を加えて概説する。

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参考文献 (25)*注記

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