糖尿病の細小血管障害マーカーとしての指動脈スティフネス指数

  • 田中 豪一
    札幌医科大学医療人育成センター心理学教室
  • 前田 貴美人
    札幌医科大学医学部眼科学講座
  • 加藤 有一
    札幌医科大学医療人育成センター心理学教室
  • 松村 健太
    国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所成人精神保健研究部
  • 三浦 哲嗣
    札幌医科大学医学部内科学第二講座
  • 小池 城司
    福岡市健康づくり財団・九州大学大学院医学研究院循環器内科学
  • 大黒 浩
    札幌医科大学医学部眼科学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Finger arterial stiffness index as a marker of damaged small artery and arterioles in diabetes
  • トウニョウビョウ ノ サイショウケッカン ショウガイ マーカー ト シテ ノ ユビ ドウミャク スティフネス シスウ

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抄録

細小動脈硬化は動脈硬化の最も初期の徴候であるかもしれない。光電指尖容積脈波から導出され,血圧には依存しない指動脈スティフネス指標(FSI)が,指部動脈における圧-容積関係の指数関数モデルに基づいて開発されてきた。本研究では,細動脈の成分により一層関連する新しい指標として高経壁圧範囲におけるFSI(FSIH)を考案し,糖尿病患者において検査された。研究協力者は中年の眼科患者31名で,糖尿病を有する7 名の糖尿病群(DM), 糖尿病と高血圧を合併する12名の高血圧合併群(DH), 基礎疾患のない12 名の統制群(CT)の3群に割り振られた。FSIとFSIHは,健常青年集団では50 ± 10となるようにすでに標準化されていた。FSIはCT 群(54.7 ± 11.8)に比べてDH群(73.8 ± 11.3)で有意に高く,DM 群(65.0 ± 14.6)はその中間であった。FSIHはCT 群(61.0 ± 12.1)に比べ,DM群(91.2 ± 22.9)とDH群(83.8 ± 31.1)の患者で有意に高かった。FSI とFSIH はそれぞれ指の小動脈と細動脈のスティフネスと関連することが示唆される。

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参考文献 (18)*注記

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