透析患者の急性心不全クリニカルシナリオ1に対し血管拡張薬により酸素化が改善した4例

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タイトル別名
  • Efficacy of vasodilators in hemodialysis patients with acute hypertensive heart failure (Clinical Scenario 1)
  • 症例報告 透析患者の急性心不全クリニカルシナリオ1に対し血管拡張薬により酸素化が改善した4例
  • ショウレイ ホウコク トウセキ カンジャ ノ キュウセイ シンフゼン クリニカルシナリオ 1 ニ タイシ ケッカン カクチョウヤク ニ ヨリ サンソカ ガ カイゼン シタ 4レイ

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抄録

急性心不全クリニカルシナリオ (CS) 1の透析患者において血管拡張薬で酸素化が改善した4例を報告する. 症例は62~81歳, 透析歴は2~12年. 週初めの透析前夜に急に呼吸苦をきたし搬送される. 肺水腫像を呈し, 血圧200-254/93-122mmHgで体重増加はドライウエイトの3.8~9.2%であった. 全例ニトログリセリン, ニカルジピンを使用し, 2例は非侵襲的陽圧換気を行った. 血圧上昇は改善し, 透析までに投与酸素は減量できた. 2例で緊急透析を行ったが, 除水は体重増加に0.5~0.8kgを加えた量を行い, 速やかに酸素化は改善した. CS1は急な血圧上昇により, 血液が末梢から心肺に急激にシフトする病態が考えられている. 硝酸薬など血管拡張薬を用いて, 体液を末梢へ再分布させることは有効である. 心不全では酸素化の迅速な改善が重要であり, 透析患者でもCS1では血管拡張薬で初期対応を行うべきと考える.

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