EGFR-TKIによるざ瘡様皮疹に対しアダパレンが有効であった2例

• 立原 素子

  神戸大学大学院医学研究科内科学講座呼吸器内科分野

• 徳永 俊太郎

  神戸大学大学院医学研究科内科学講座呼吸器内科分野

• 田村 大介

  神戸大学大学院医学研究科内科学講座呼吸器内科分野

• 小林 和幸

  神戸大学大学院医学研究科内科学講座呼吸器内科分野

• 船田 泰弘

  神戸大学大学院医学研究科内科学講座呼吸器内科分野

• 西村 善博

  神戸大学大学院医学研究科内科学講座呼吸器内科分野

書誌事項

タイトル別名

• Successful Treatment with Adapalene for EGFR-TKI-induced Acneiform Eruptions

抄録

背景．上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬（EGFR-TKI）は，EGFR遺伝子変異陽性肺癌に対するkey drugであるが，高率に皮疹を生じ，そのマネージメントに苦慮する場合がある．症例．症例1．47歳，男性．肺腺癌（cT4N3M1b, stage IV, EGFR exon 19 deletion陽性）に対し，二次治療としてエルロチニブを開始した．前胸部のざ瘡様皮疹に対し，ステロイド外用剤を使用したが増悪したため，アダパレン（0.1%）の塗布を開始した．1か月後には皮疹の改善がみられた．症例2．70歳，男性．肺腺癌（cT1aN1M1b, stage IV, EGFR L858R陽性）に対し，二次治療でゲフィチニブを開始した．背部にざ瘡様皮疹が出現し，ステロイド外用剤で一度改善したがその後増悪したため，アダパレン（0.1%）を塗布した．塗布17日目には皮疹の著明な改善を認めた．結論．ステロイド外用剤で改善しないEGFR-TKIによる皮疹に対し，アダパレンが有用である可能性が示唆された．アダパレンの適応と投与法について今後検討が必要である．

収録刊行物

• 肺癌

  肺癌 54 (7), 978-982, 2014

  特定非営利活動法人 日本肺癌学会

キーワード

• アダパレン
• EGFRチロシンキナーゼ阻害薬（EGFR-TKI）
• ざ瘡様皮疹
• 肺癌

詳細情報

• CRID: 1390001204683787776
• NII論文ID: 130004880437
• DOI: 10.2482/haigan.54.978
• ISSN: 13489992
• ISSN: 03869628
• Web Site: https://www.jstage.jst.go.jp/article/haigan/54/7/54_978/_pdf
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2015348225
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可