胸水細胞診における転移性子宮血管肉腫細胞像の検討

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  • Pleural fluid cytology in metastatic uterine angiosarcoma—A case report—
  • Pleural fluid cytology in metastatic uterine angiosarcoma—A case report—

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抄録

背景 : 子宮原発血管肉腫は, 非常にまれな疾患であり, これまでに内膜細胞診と体腔液細胞診の所見に関する詳細な報告はない. 今回われわれは, 胸水中に腫瘍細胞が出現した子宮血管肉腫の 1 例を経験したので, 原発巣および胸水中の細胞像を中心に報告する.<br>症例 : 62 歳, 女性. 子宮内膜の肥厚を指摘された. 内膜細胞診では, 孤在性∼束状集団で紡錘形異型細胞が出現し, 非上皮性腫瘍が疑われた. 生検施行後に入院し, 子宮摘出術が施行された. 組織学的に内膜∼筋層に紡錘形および上皮様腫瘍細胞が不規則な血管腔や充実性小胞巣を形成していた. 免疫染色で腫瘍細胞は CD31, D2-40 に陽性を示し, 血管肉腫と診断された. 術後 4 年で胸水が貯留し, 胸水細胞診では, 上皮様異型細胞が孤在性, 小集団で出現し, 脈管形成を示唆する腺腔様配列, 同心円状配列, 細胞質空胞がみられた. 免疫染色で異型細胞は CD31, D2-40 に陽性を示し, 子宮血管肉腫の胸腔内転移と診断された.<br>結論 : 転移性血管肉腫の体腔液細胞診において, 脈管形成を示唆する特徴的な所見を注意深く同定し, 免疫染色で血管内皮マーカーの発現を確認することにより, 確定診断が可能となる.

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