狭小弁輪を伴う高齢者石灰化大動脈弁狭窄症に対するapicoaortic conduit bypassの1例

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  • Apicoaortic Conduit Bypass Surgery for Severe Calcific Aortic VaIve Stenosis

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抄録

症例は79歳女性の大動脈弁狭窄症(Aortic Valve Stenosis:以下AS).経胸壁心臓超音波検査(transthoracic echocardiography:以下TTE)による最大大動脈弁圧格差は84.7 mmHg,平均大動脈弁圧格差は50.0 mmHg,大動脈弁輪径は17 mm,弁口面積は0.72 cm2 であり,胸部CTでは大動脈弁および弁輪は石灰化を示しており,狭小弁輪を伴うASであった.さらに体表面積が1.27と体格が小さく,通常の大動脈弁置換術(Aortic Valve Replacement:以下AVR)ではリスクが高いと判断されApicoaortic conduit bypass(以下ACB)を施行した.手術は左開胸で行い,大腿動脈送血,大腿静脈脱血で人工心肺確立,中等度低体温,心室細動下に左室から下行大動脈に18 mm人工血管と21 mmステントレス弁によるACBを施行した.術後,大動脈弁圧格差は最大28.8 mmHg,平均13.3 mmHgと低下した.高齢者,大動脈狭小弁輪や,大動脈高度石灰化を伴ったASで,AVRが困難と思われる症例等はACBのよい適応と思われた.

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