全弁下組織温存僧帽弁置換術後に合併した乳頭筋断裂の1例

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  • A Case Report of Papillary Muscle Rupture after Mitral Valve Replacement with Preservation of Whole Subvalvular Apparatus

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抄録

僧帽弁置換術時に弁下組織を温存することは心機能維持に広く受け入れられている術式である.しかし今回,全弁下組織温存僧帽弁置換術後に乳頭筋断裂を合併し,摘出術を施行した1例を経験した.症例は67歳,男性.腱索断裂による急性心不全で救急搬送され,生体弁による全弁下組織温存僧帽弁置換術を施行した.術後経過は順調であったが,心エコー検査で僧帽弁弁輪に付着し心周期に一致して左室から大動脈弁尖を超えて浮遊する有茎の腫瘤が認められた.初回術後57日目に大動脈切開,経大動脈弁的に摘出術を行った.腫瘤は後交連寄りの前尖に腱索を連ねていた後乳頭筋の一部であった.弁輪への逢着に伴う弁下組織の過度の緊張と乳頭筋局所の虚血を避けるよう注意が必要と考えられた.

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