葉緑体DNA <i>rbcL</i>遺伝子によるアカネズミおよびヒメネズミの糞中植物種残渣推定

書誌事項

タイトル別名
  • Identification of plant residual substances in the feces of <i>Apodemus speciosus</i> and <i>A. argenteus</i> by chloroplast <i>rbcL</i> gene sequences
  • 葉緑体DNA rbcL遺伝子によるアカネズミおよびヒメネズミの糞中植物種残渣推定
  • ヨウリョクタイ DNA rbcL イデンシ ニ ヨル アカネズミ オヨビ ヒメネズミ ノ フン チュウ ショクブツシュザンサスイテイ

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抄録

愛知県弥勒山において捕獲されたアカネズミApodemus speciosusとヒメネズミA. argenteusの糞から葉緑体DNAのrbcL遺伝子(262 bp)をPCR法で増幅し,サブクローニングすることによって糞中に残された食物残渣の塩基配列を決定した.決定された塩基配列についてBLASTを用いた相同性検索を行うことで両種によって採食された糞中植物種残渣を推定した.その結果,アカネズミから候補植物としてトゲチシャLactuca serriola,フジWisteria floribunda,ヤマザクラCerasus jamasakura var. jamasakuraの3種が推定された.一方,ヒメネズミからはトゲチシャ,ヒノキChamaecyparis obtusa var. obtusa,アセビPieris japonica var. japonica,ヤマザクラの4種が採食候補植物として推定された.また,一部については種レベルでの同定は困難であったものの,科レベルまでは高精度で同定できた.したがって分子生物学的手法を用いることで,従来の糞中植物種残渣推定法では不可能であった採食植物推定が種から科レベルで可能であることが示唆された.

収録刊行物

  • 哺乳類科学

    哺乳類科学 54 (1), 95-101, 2014

    日本哺乳類学会

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