腹腔鏡下脾摘出術を施行した自然脾破裂の1例

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  • A Case of Spontaneous Splenic Rupture Treated with a Laparoscopic Splenectomy

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抄録

症例は50代,女性。排便時の怒責後に突然の左季肋部痛,気分不良を訴え,救急受診した。収縮期血圧:80台,Hb:9.2g/dLと低血圧,貧血を認めた。腹部CTで脾内および脾被膜下に低吸収域,および肝周囲に腹腔内出血を疑う腹水を認め,緊急入院した。入院後,輸液投与で血圧は上昇し,保存的加療を行った。入院翌日の血液検査で貧血の進行は認めなかったが,腹部CTで腹水の増加を認めたので非外傷性脾破裂による腹腔内出血の診断で腹腔鏡下に摘脾術を施行した。術中所見では,脾臓中極付近に裂傷を認め,被膜下血腫を伴っていた。肉眼的に明らかな原因の特定はできなかった。病理診断でも脾内に血腫を認めるも,腫瘍を含め出血を生じる病変は確認できなかった。外傷の既往や基礎疾患もないために自然脾破裂と診断した。術後経過は良好で術後第10病日に退院となった。原因不明な自然脾破裂を経験したので報告する。

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