急性虫垂炎で発症した肺小細胞癌の虫垂転移の1例

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  • A Case of Acute Appendicitis due to Appendicular Metastasis from Small-cell Lung Cancer

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抄録

今回,われわれは肺小細胞癌の虫垂転移によって発症した急性虫垂炎の1手術例を経験したので報告する。症例は68歳の男性。肺小細胞癌(T2N2M0stageⅢA)の化学療法のため外来通院中であった。右下腹部痛を訴えて救急外来を受診した。腹部所見では右下腹部を中心に圧痛を認め,圧痛の最強点はMcburny点に一致していた。腹膜刺激症状はみられなかった。腹部CTで虫垂腫大がみられたため,虫垂炎と診断し保存的治療の方針となった。入院後6日目,右下腹部痛の増悪および腹膜刺激症状を認めたため,腹膜炎の併発が疑われ緊急手術となった。開腹所見では,虫垂の先端に腫瘍を認め,その周囲に膿瘍形成がみられた。洗浄ドレナージおよび虫垂切除術を施行した。術後病理組織学的検査で肺小細胞癌の虫垂転移と診断された。術後化学療法を行ったが,3ヵ月後に脳転移で死亡した。

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