鼻腔通気度検査と音響鼻腔計測検査を用いた内視鏡下副鼻腔手術の術後評価

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  • Pre- and Postoperative Objective Evaluations Using Rhinomanometry and Acoustic Rhinometry in Patients Undergoing Paranasal Sinus Surgery

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抄録

鼻閉は副鼻腔炎の主症状の1つであり,内視鏡下副鼻腔手術による鼻閉の改善度の客観的評価は手術技能の重要な指標の1つになると推察される。本研究では,鼻副鼻腔手術前後の鼻腔通気性の変化を鼻腔通気度検査法と音響鼻腔計測検査法を用いて測定し,これらの検査が内視鏡下副鼻腔手術の技能評価の客観的な指標となるか検討した。<br>鼻中隔矯正術・鼻甲介切除術,内視鏡下鼻副鼻腔手術I~IV型を行った212例(男性158例,女性54例,平均年齢48.9歳)を対象として,手術前後に鼻腔通気度検査(211例)と音響鼻腔計測検査(102例)を行い,鼻腔抵抗,最小鼻腔断面積(MCA),0-5cm鼻腔容積の変化について検討した。症例数の内訳は,鼻中隔矯正術・鼻甲介切除術40例,内視鏡下鼻副鼻腔手術I型11例,II型11例,III型68例,IV型84例であった。<br>鼻中隔矯正術・鼻甲介切除術,両側手術(III型,IV型),片側手術での統計学的解析では,両側IV型手術におけるMCAを除き全ての術式で手術前にくらべて鼻腔抵抗の低下,MCAおよび0-5cm鼻腔容積の増加を認めた。副鼻腔手術単独施行例と鼻中隔矯正術・鼻甲介切除術などを併施した症例を比較したが,単独施行例でも有意な変化を認めた。<br>以上の結果より,内視鏡下鼻副鼻腔手術によって鼻腔抵抗が低下し,MCAと0-5cm鼻腔容積が増加することが確認できた。簡便で非侵襲的な鼻腔通気度検査と音響鼻腔計測検査は,内視鏡下鼻副鼻腔手術技能の客観的評価法の指標の1つとして有用である。<br>

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