文字習得困難をきたした後天性小児失語症の1例

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タイトル別名
  • Acquired aphasia in children with difficulty in letter acquisition. A case report.

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抄録

左中大脳動脈閉塞症による小児失語例で,後に重篤な文字習得困難を呈した現在9歳女児の症例を報告する.発症は1歳4ヶ月.発症当初はほとんど緘黙状態だったが,早期に失語症状は回復した.しかし普通小学校入学後,文字習得困難をきたした.8歳1ヶ月時の WISC 知能診断検査では,動作性,言語性 IQ ともに正常域だった.なお音声言語面,視覚認知面には問題をみいだせなかった.3年間文字指導を行なってきたが,9歳になった現在もなお明らかな読字書字困難が残存した.本例では角回部周辺に到る病巣が読字書字機構の発達に影響を与え,視覚系路と聴覚系路を統合させる過程が障害されたと思われる.

収録刊行物

  • 失語症研究

    失語症研究 9 (4), 279-284, 1989

    日本失語症学会 (現 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会)

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (13)*注記

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282679739307776
  • NII論文ID
    130004893274
  • DOI
    10.2496/apr.9.279
  • ISSN
    18806716
    02859513
    http://id.crossref.org/issn/02859513
  • Web Site
    https://search.jamas.or.jp/link/ui/1991024351
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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