二つの入射-検出配置を有する単一反射型ファイバープローブを用いた 組織光学特性値の <i>in vivo </i>測定

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  • <i>In Vivo</i> Determination of Tissue Optical Properties using Single Reflectance Fiber Probe with Two Source-collector Geometries
  • In Vivo Determination of Tissue Optical Properties using Single Reflectance Fiber Probe with Two Source-collector Geometries

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抄録

生体組織の光学特性値は臨床診断,手術,および治療における光の適用において重要である.光ファイバープローブを使用した拡散反射分光法(Diffuse reflectance spectroscopy, DRS)は生体組織の光散乱・吸収特性を評価する上で最も有望な技術の一つである.本研究では2 つの異なる入射‐検出配置を有する単一反射ファイバープローブを用いてin vivo 生体組織の等価散乱係数と吸収係数を決定する新しい方法について検討を行った.計測システムの性能評価のために,光学ファントムを用いた実験を行った結果,吸収係数μa および等価散乱係数μs’の予測値と推定値との相関係数はそれぞれ0.946 および0.945 と良好な相関が得られた.生体組織を対象とした光学特性変化の評価における本方法の可能性を確認するために,95%N2,5%CO2 ガス呼吸により誘導した無酸素状態およびPinprick 刺激により誘発した大脳拡延性抑制(Cortical Spreading Depression, CSD)中のin vivo ラット露出脳に対する計測実験を行った.無酸素状態の開始後およびPinprick 刺激後の吸収係数スペクトルμa(λ)と組織酸素飽和度の時間変化は大脳皮質の血行動態変化を反映しているものと思われた.一方で,等価散乱係数スペクトルμs’(λ)の変動は組織および赤血球による光散乱変化を示していると思われた.本論文で示される実験結果はいくつかの臨床的な局面において組織の光学特性を評価する上でのDRS の潜在可能性を示している.

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