晩期合併症として発症した先天性十二指腸閉鎖症術後吻合部潰瘍の2例

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タイトル別名
  • Two Cases of Congenital Duodenal Atresia With Postoperative Anastomotic Ulcers
  • 症例報告 晩期合併症として発症した先天性十二指腸閉鎖症術後吻合部潰瘍の2例
  • ショウレイ ホウコク バンキ ガッペイショウ ト シテ ハッショウ シタ センテンセイ ジュウニシチョウ ヘイサショウ ジュツゴ フンゴウブ カイヨウ ノ 2レイ

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抄録

先天性十二指腸閉鎖症は予後良好な疾患とされ,術後合併症の発生率も高くない.今回我々はダイヤモンド吻合施行後の晩期合併症として吻合部潰瘍の2 例を経験した.症例1 は10 歳男児.タール便で発症し内視鏡検査で十二指腸吻合部とすぐ脇のポケット様内腔の境界部からの活動性出血を認めた.症例2 は9 歳男児.コーヒー残渣様嘔吐で発症し内視鏡検査で吻合部付近のポケット様内腔盲端と出血性潰瘍を認めた.造影検査では近位十二指腸の拡張所見も有していた.また,2 症例とも自閉傾向を伴うダウン症患児であり幼少期より極度の偏食習慣を有していたことも慢性的な栄養障害と創傷治癒の遅延に影響した可能性があった.いずれも輸血と栄養管理で軽快しその後は貧血や腹部症状の再燃を認めていない.稀ではあるが晩期合併症としての吻合部潰瘍も念頭に置く必要があり,少なくとも小児期における画像検査と栄養評価は継続的に行うべきと考えられた.

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