完全内臓逆位症を伴った胆嚢結石症に対して腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した1例

書誌事項

タイトル別名
  • LAPAROSCOPIC CHOLECYSTECTOMY IN SITUS INVERSUS TOTALIS-A CASE REPORT-

この論文をさがす

抄録

完全内臓逆位症を伴った胆石症に対する腹腔鏡下胆嚢摘出術を経験した.症例は65歳,男性.心窩部痛を主訴に発症し,胆嚢内には多数の結石を認めた.肝・胆嚢は左側にあり,通常位とは完全に左右対称の鏡面する部位に位置していた.胆道3D-CTでは胆嚢管から胆嚢内への造影剤の流入はないものの,胆道系の走行に変位は認めなかった.手術は臍直下に腹腔鏡用ポート,ワーキングポートは3本で,左中鎖骨線上では肋弓下から7cm足側に離して留置した.胆嚢を厚く覆っていた大網を慎重に剥離したのちcritical viewを露出,確認したうえで胆嚢動脈,胆嚢管をそれぞれクリップ後に切離した.両手を用いるdouble hand法で行ったが,左手での剥離操作を必要とする場面が多かった.経過は順調で術後2日目に退院された.今回,完全内臓逆位での腹腔鏡下胆嚢摘出術を経験したが,右手操作のみならず左手操作にも習熟しておくことが手術を安全に完遂するうえで重要であると思われた.

収録刊行物

被引用文献 (2)*注記

もっと見る

参考文献 (24)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ