胃切除術後にWernicke-Korsakoff症候群を発症した1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Wernicke-Korsakoff Syndrome that Developed following Gastrectomy
  • 症例 胃切除術後にWernicke-Korsakoff症候群を発症した1例
  • ショウレイ イ セツジョ ジュツゴ ニ Wernicke-Korsakoff ショウコウグン オ ハッショウ シタ 1レイ

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抄録

症例は65歳,男性.平成21年4月上旬に心窩部痛を主訴に近医受診し,上部消化管内視鏡検査で胃癌と診断され,治療目的で当院紹介受診した.6月下旬に腹腔鏡補助下幽門側胃切除,Roux-en-Y再建術を施行した.術後4日目に十二指腸断端の縫合不全と診断し,術後9日目,開腹ドレナージ術を施行した.初回手術後14日目から食事を再開した.食事摂取量は20から70%程度であり,末梢血管から輸液の補充を行った.初回手術後43日目から意識障害が出現し,48日目に頭部MRIを施行し,Wernicke脳症,Korsakoff症候群と診断した.その後,末梢静脈からビタミン剤の投与を行った.運動障害は改善を認めたが,作話や短期記憶障害の精神症状は残存した.12月中旬に自宅退院とし,以後外来で経過を観察している.非アルコール性のWernicke脳症,Korsakoff症候群はまれな病態であり,文献的考察を加えて報告する.

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