直腸癌回腸浸潤の手術後に発症したHLA-DRB1<sup>*</sup>0406, B1<sup>*</sup>04051を有するインスリン自己免疫症候群の1例

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  • 澤井 喜邦
    愛知県厚生農業協同組合連合会豊田厚生病院内科
  • 加藤 大也
    愛知県厚生農業協同組合連合会豊田厚生病院内科
  • 釜谷 直人
    愛知県厚生農業協同組合連合会豊田厚生病院内科
  • 片田 直幸
    愛知県厚生農業協同組合連合会豊田厚生病院内科
  • 伊藤 光泰
    藤田保健衛生大学医学部内分泌・代謝内科

書誌事項

タイトル別名
  • Insulin Autoimmune Syndrome Developing after Surgery for Ileal Invasion of Rectal Cancer in a Patient with the HLA-DRB1<sup>*</sup>0406, B1<sup>*</sup>04051 Genotype
  • 症例報告 直腸癌回腸浸潤の手術後に発症したHLA-DRB1*0406,B1*04051を有するインスリン自己免疫症候群の1例
  • ショウレイ ホウコク チョクチョウガン カイチョウ シンジュン ノ シュジュツゴ ニ ハッショウ シタ HLA-DRB1*0406,B1*04051 オ ユウスル インスリン ジコ メンエキ ショウコウグン ノ 1レイ

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抄録

症例はインスリン自己免疫症候群（IAS）と診断された73歳の女性．71歳時に進行直腸癌に対し低位前方切除術を受けた．術後5-FUなどを用いた化学療法を施行した．73歳時に後腹膜再発による回腸浸潤を認め後腹膜転移巣切除と回腸切除を施行した．術後7日目に低血糖昏睡を生じその後毎日低血糖を生じたため術後17日に当科入院となった．低血糖発作時の血糖値は45 mg/dlで血清インスリン305 μIU/ml，インスリン抗体が陽性でScatchard解析の結果k1=0.1135×108 l/mol, b1=1.7×10－8 mol/lと低親和性高結合量の抗体性状を有することからIASと診断した．IgEインスリン抗体も陽性だった．HLA-DRB1*0406, *04051とIAS感受性と抵抗性アリルを併せ持つ稀な型を認めた．低血糖は補食で対応でき約半年で自然軽快した．直腸癌の後腹膜再発・回腸浸潤の手術後にHLA-DRB1*0406, B1*04051に発症したIASは興味深い．本例のIASは回腸手術が誘因の免疫寛容消失が関与した可能性が考えられた．

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 56 (12), 938-942, 2013

    一般社団法人 日本糖尿病学会

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