不顕性溶血のためにHbA1cが低値を示した2例

書誌事項

タイトル別名
  • Two Patients with Low HbA1c Levels Due to Subclinical Hemolysis
  • 症例報告 不顕性溶血のためにHbA1cが低値を示した2例
  • ショウレイ ホウコク フケンセイ ヨウケツ ノ タメニ HbA1c ガ テイチ オ シメシタ 2レイ

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抄録

我々は不顕性溶血のためにHbA1cが低値を示した2例を経験した.1例は非糖尿病,他の1例は糖尿病合併例であったが,2例ともグリコアルブミンとHbA1cの比は著明高値であった.また,2例ともHPLC法および免疫法で測定したHbA1c値が一致したために異常ヘモグロビンは否定された.2例ともに貧血を認めなかったが,ハプトグロビンの低値,網状赤血球の高値を認めた.また,末梢血の塗末標本および走査電顕にて赤血球の形態異常(1例は楕円赤血球,他の1例は球状赤血球)を認めた.以上の結果より2例のHbA1c低値の原因は楕円赤血球症あるいは球状赤血球症に基づく不顕性溶血と考えられた.不顕性溶血はHbA1cが見かけ上低値を示す疾患として念頭に置くべき疾患である.

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 58 (2), 128-135, 2015

    一般社団法人 日本糖尿病学会

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