冠動脈バイパス術後に発症した胃癌に対し幽門側胃切除D2郭清を施行した1例

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  • Distal Gastrectomy and D2 Lymph Node Dissection for Gastric Cancer after Coronary Bypass Grafting Using the Right Gastroepiploic Artery

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抄録

右胃大網動脈を用いた冠動脈バイパス術後に発症した胃癌に対して幽門側胃切除D2郭清を施行した1例を経験した.症例は74歳男性で,59歳時に冠動脈バイパス術の既往がある.73歳時,上部消化管内視鏡検査で胃前庭部小彎に約4 cm大0-IIc病変あり前医にてESDを施行し病理結果tub2,SM1,UL(–),ly(+),v(–),pHM0(2 mm),pVM1であった.手術と再発のリスクを検討し経過観察としたが1年後CTで幽門上リンパ節腫大を認めた.経皮的冠動脈形成術でgraftに依存しない血行再建後幽門側胃切除D2郭清を行った.近年右胃大網動脈を用いた冠動脈バイパス後患者の腹部手術症例が増加しており中でも術後遠隔期における胃癌の発生については問題点の一つとされている.本症例は術前に血行再建を行うことにより安全にD2郭清を施行しえたため文献的考察を含め報告する.

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参考文献 (16)*注記

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