直腸肛門内圧測定が予後予測に有用であった仙骨骨折の1例

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  • A Case of Fracture of the Sacrum Showing that Measurement of Anorectal Internal Pressure is Useful in Predicting Prognosis

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抄録

仙骨骨折に伴う馬尾神経・神経根損傷において,経時的に直腸内圧の測定を行い予後予測に有用であった1例を経験したので報告する.症例:21歳,男性.ビルの3階から転落ししりもちをついて体動困難となり救急車にて搬送された.臀部から両下肢にかけての激痛と左足部痛・右手関節痛を訴え,X線上仙骨骨折・左踵骨骨折・右橈骨遠位端骨折・右尺骨茎状突起骨折を認めた.尿意・便意の消失とともに神経学的にS2-3以下仙髄領域の知覚障害・肛門括約筋の随意収縮消失・BCR消失とS2以下の仙髄領域のほぼ完全麻痺を呈していた.保存的に経過を見るも麻痺・疼痛の改善傾向は見られず,受傷32日目に仙骨椎弓切除・前方骨片の打ち込み等による神経全周除圧を行なった.術後,徐々に排尿・排便・性機能障害は改善した.経時的な直腸肛門内圧測定にて早期に肛門機能の改善をモニターでき予後予測に有用であった.この症例に若干の文献的考察を加え報告する.

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