大腿骨転子部骨折術後に大腿骨頭壊死を生じた2例

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タイトル別名
  • Two Cases of Avascular Necrosis of Femoral Head after Treatment of Intertrochanteric Fracture

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抄録

【はじめに】大腿骨転子部骨折術後の骨頭壊死は非常にまれで,2例を経験したので報告する.【症例】症例1は88歳女性で,Ender釘内固定3年後に骨頭壊死が生じ,5年後に人工骨頭置換を行ったが骨頭脱臼時に同側大腿骨骨幹部骨折をおこし6カ月の保存的治療後,セメントレスTHAを行った.症例2は86歳女性でCHS内固定12カ月後に骨頭壊死を生じ,人工骨頭置換を行ったがCHSを抜釘し骨頭脱臼時に転子下粉砕骨折をおこした.骨折部をワイヤー固定し人工骨頭置換をしたが骨折部が転位し,3週後JMM腫瘍用KLS近位置換型システムでTHAを行った.【考察】転子部骨折後の骨頭壊死の原因は高エネルギー外傷やリーミング時の回旋力による血管損傷の可能性,骨折部が頚基部に近い,外反位固定,ラグスクリューの不適切な挿入位置などが指摘されているがいずれにも該当しない報告例も多い.抜釘や人工関節置換時に骨折を起こさぬよう注意が必要である.

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