当科における鼻出血症例の検討

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  • CLINICAL STUDY OF EPISTAXIS PATIENTS

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抄録

2003年4月から2006年3月までの3年間に, 当科を受診した特発性鼻出血症例442例について検討した。<br>対象は男性242例, 女性200例であった。平均年齢は58歳で, 50~70歳代に多くみられ, 月別受診者数は夏季 (7~9月) が他の季節に比較して有意に少なかった。出血部位は鼻腔前部が全体の48%を占めたが, 出血点不明および受診時止血状態であった症例が40%に及んだ。止血処置は軟膏ガーゼによる圧迫が227例 (51%), 電気凝固・化学的焼灼が83例 (19%) に行われた。基礎疾患をみると, 高血圧が114例 (26%) で最も多く, 次いで高血圧以外の循環器疾患が50例 (11%) であった。出血素因となる薬剤については, 抗血小板薬が51例 (11%), ワーファリン® が36例 (8%) に内服していた。再出血症例は55例 (12%), 入院症例は28例 (6%) に及び, それらの症例では関連する基礎疾患の合併率, 出血素因となる薬剤の内服率とも上昇し, 特にワーファリンの内服率は入院症例で有意に上昇していた。鼻出血の治療はその症例に適した止血処置を行うとともに, 再出血のリスクが高い患者には, 再出血時の対応に十分な説明が必要と考えられた。

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