オスラー病 (遺伝性出血性末梢血管拡張症) の鼻出血

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タイトル別名
  • ISSUES OF EPISTAXES IN CASES OF HEREDITARY HEMORRHAGIC TELANGIECTASIA
  • —基礎と臨床—

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抄録

オスラー病 (遺伝性出血性末梢血管拡張症) は常染色体性優性遺伝をする全身の粘膜, 皮膚, 内臓, 中枢神経などの血管奇形病変である。罹患頻度は以前に考えられていたほど稀ではなく, 5~8千人に1人といわれる。オスラー病の多くは第9染色体でのendoglin遺伝子変異による1型と, 第12染色体のALK-1遺伝子変異による2型とに分かれる。鼻出血の程度は様々で, 軽症例が多く, 入院や輸血を必要とする例は1/3といわれる。Curaçao criteriaとして4項目が診断基準に採用されており, 3項目以上該当で確定診断になる。<br>従来さまざまな治療法が提案されてきたが, 症状の程度は患者毎に異なるので治療法は一律には選択できない。レーザー治療は有効期間が短いが, 操作が容易なので, 数ヵ月毎に反復することとし, 軽症例や皮膚置換術後の血管拡張に用いる。鼻粘膜皮膚置換術は鼻腔前半部の粘膜を移植皮膚で置換する方法で, 鼻腔全部を置換するわけではないので, 出血は完全には停止しないが, 出血部位の多くを占める前部が置換されるので, 出血頻度・程度は激減し, 施行価値のある手術である。さらに重症例では外鼻孔閉鎖術が適応となる。

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