無床診療所における睡眠時呼吸障害の取り扱い

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タイトル別名
  • Diagnosis and Treatment of Sleep-disordered Breathing at Outpatient Clinics
  • ムショウ シンリョウジョ ニ オケル スイミンジ コキュウ ショウガイ ノ トリアツカイ

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抄録

無床診療所での成人の睡眠時呼吸障害 (SDB) に対する取り組みについて述べる。無床診療所では, まず診断と治療の振り分けが必要である。問診, X線とファイバースコープによる鼻内・咽喉頭の形態診断を行うことで, SDBの有無は推測でき, 治療方針も立てられる。形態診断によりSDBの原因を明示することで, 患者の理解が深まり, 治療に対するモチベーションも向上する。SDBの診断・重症度判定は簡易検査で行うが, 自動測定に頼らず視察解析を行うべきである。適宜, 終夜睡眠ポリグラフが行える施設に紹介する。自院で行える治療は主に経鼻持続陽圧呼吸 (CPAP) で, 機器は2種類以上準備することが望ましい。鼻の治療が可能な耳鼻咽喉科では治療継続率が高くなる。CPAPの送気による鼻内乾燥に注意し, 必要に応じて加湿器を追加する。CPAPの使用状況はデータで確認し, 無呼吸指数や平均使用時間だけではなく, 使用状況や就寝時間も確認し, 必要な生活指導を行う。適宜, 手術や歯科装置が行える医療機関と連携し, 睡眠障害に精通した精神科医との連携も望ましい。地域のSDB診療の精度を上げるには, 耳鼻咽喉科の役割が大きいと考えられる。

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