気管挿管後の声帯突起部癒着による声門狭窄症例

  • 後藤 多嘉緒
    三楽病院 耳鼻咽喉科 国立国際医療研究センター 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 高野 真吾
    国立国際医療研究センター 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 田山 二朗
    国立国際医療研究センター 耳鼻咽喉科・頭頸部外科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Glottic Stenosis Owing to Interarytenoid Adhesion after Tracheal Intubation
  • キカンソウカン ゴ ノ セイタイ トッキブ ユチャク ニ ヨル セイモン キョウサク ショウレイ

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抄録

気管挿管後に,両側声帯運動障害と両側声帯突起部の肉芽を生じ,その後声帯突起間が癒着した症例を報告する。<br>症例は39歳女性。アナフィラキシーショックのため前医で気管挿管された。第8病日抜管が試みられたが,両側声帯突起部の挿管性肉芽と両側声帯外転障害のため再挿管され,第15病日気管切開された。スピーチカニューレを装用したまま退院となり,前医耳鼻科再診時,両側声帯突起間の橋状癒着を指摘され,当科を紹介受診した。声帯外転時に声帯突起部の癒着が牽引されるのを確認し,癒着切除のみで再癒着はしないと予想し,喉頭微細手術下に声帯突起部癒着を切除した。声門狭窄は改善し,気管孔閉鎖が可能となった。<br>本症例の声帯運動障害の原因は,運動が自然回復していることから,反回神経麻痺や輪状披裂関節部の炎症の可能性が考えられる。肉芽が存在した上に,声帯運動障害による声門狭窄が生じていたため,肉芽の存在部位で癒着したと推定した。

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