第2鰓溝の遺残による内瘻孔が原因であった扁桃周囲および深頸部膿瘍の1例

  • 小町 太郎
    日本医科大学大学院医学研究科 頭頸部・感覚器科学,
  • 三枝 英人
    東京女子医科大学八千代医療センター 耳鼻咽喉科
  • 山口 智
    日本医科大学大学院医学研究科 頭頸部・感覚器科学,
  • 門園 修
    東京女子医科大学八千代医療センター 耳鼻咽喉科
  • 中村 毅
    日本医科大学大学院医学研究科 頭頸部・感覚器科学,
  • 粉川 隆行
    日本医科大学大学院医学研究科 頭頸部・感覚器科学,
  • 愛野 威一郎
    日本医科大学大学院医学研究科 頭頸部・感覚器科学,
  • 木村 繁
    木村耳鼻咽喉科小児科医院
  • 伊藤 裕之
    日本医科大学大学院医学研究科 頭頸部・感覚器科学,

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Peritonsillar and Deep Neck Abscess Caused by Infection to the Second Branchial Fistula
  • 症例 第2鰓溝の遺残による内瘻孔が原因であった扁桃周囲および深頸部膿瘍の1例
  • ショウレイ ダイ2シコウ ノ イザン ニ ヨル ナイロウコウ ガ ゲンイン デ アッタ ヘントウ シュウイ オヨビ シンケイブ ノウヨウ ノ 1レイ

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抄録

症例は66歳男性。3日前から左側咽頭痛が出現し,急激に悪化した。左側頸部の発赤・腫脹が出現し,経口摂取も不能となったため当科へ緊急入院した。初診時,左側頸部の発赤・腫脹が顎下部から鎖骨上まで及んでいた。また,左側扁桃下極後下方付近の発赤・腫脹,左側咽頭側壁から喉頭蓋,披裂喉頭蓋襞に浮腫性変化を認めた。頸部造影CTでは左側扁桃後下方付近から副咽頭間隙,咽頭後間隙,前頸間隙に膿瘍の形成を認めたため,緊急で局所麻酔下に気管切開後,切開排膿術を行った。その後,開放創の洗浄と抗生剤の点滴投与を行い,局所所見および血液所見は徐々に改善したため退院予定であったが,退院前日 (術後29日目) に左側口蓋扁桃および後口蓋弓の再腫脹を認めた。頸部造影CTを施行したところ左側口蓋扁桃後下方に限局した膿瘍の再形成を認めた。このため,翌日,左側口蓋扁桃摘出術を行った。その結果,扁桃床に開口する第2鰓溝の遺残と思われる瘻管を認めた。病理学的検査にて第2鰓溝の遺残による内瘻孔と診断した。その後,6年間再発を認めていない。

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参考文献 (3)*注記

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