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- 森本 茂人
- 金沢医科大学高齢医学
書誌事項
- タイトル別名
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- Emergency transport and hospitalization of the elderly
- コウレイシャ ノ キュウキュウ ハンソウ,キュウキュウ ニュウイン ガ ヒツヨウ ナ ビョウタイ
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抄録
高齢者では救急対応が必要な急性疾患であっても,症状や経過が非定型的であることが多く,個人差も大きい.治療に際して恒常性易破綻,薬物副作用,合併症発症に注意する.病態や患者が置かれている社会的状況も考慮して個々に治療ゴールを設定する.疾患別では,【脳卒中】(1)一過性脳虚血発作(TIA)も含め,疑いがあれば,速やかに脳卒中急性期医療機関へ搬送する.(2)診断には画像検査(特に拡散強調画像)が望ましい.(3)一過性脳虚血発作も急性期脳血管障害に位置づけて救急治療の対象とする.(4)発症直後の降圧療法は高血圧性脳症やくも膜下出血以外は病型診断後でよい.(5)75歳以上での血栓溶解療法は適応を慎重に判断する.(6)急性期から合併症予防に取り組む.【急性冠症候群(ACS)】(1)ST上昇型急性ACSだけでなく,非ST上昇型ACSでも中等度リスク以上であれば,速やかに循環器急性期医療機関へ搬送.(2)高齢者では,無痛性ACS,せん妄や失神で初発するACSにも注意する.(3)トロポニンTを測定する.【急性腹症】(1)腹痛が制御できない場合は,速やかに消化器対応急性期医療機関へ搬送する.(2)高齢者においても,腹部大動脈瘤破裂,腸間膜動脈血栓症,絞扼性イレウス,消化管穿孔,胆嚢穿孔,ヘルニア嵌頓,結腸軸捻転など緊急手術を要する疾患に注意する.<br>
収録刊行物
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- 日本老年医学会雑誌
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日本老年医学会雑誌 50 (2), 155-157, 2013
一般社団法人 日本老年医学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680000729216
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- NII論文ID
- 130004917050
- 40019709105
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- NII書誌ID
- AN00199010
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- COI
- 1:STN:280:DC%2BC3sbislSjtg%3D%3D
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- NDL書誌ID
- 024703111
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- ISSN
- 03009173
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- PubMed
- 23979226
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- Crossref
- PubMed
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可