CGA短縮版策定のための栄養障害スクリーニングテスト

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タイトル別名
  • Establishment of a short-form screening test for malnutrition in a newly developed comprehensive geriatric assessment initiative named 'Dr. SUPERMAN'
  • CGA タンシュクバン サクテイ ノ タメ ノ エイヨウ ショウガイ スクリーニングテスト

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抄録

目的:高齢者総合的機能評価(CGA)短縮版の開発に当たって迅速かつ正確に栄養障害の有無をスクリーニングできる課題を策定すること.方法:種々の慢性疾患で外来通院中の高齢者163名(平均年齢83.4歳,男性80名,女性83名)を対象にMini-Nutritional Assessment-Short Form(MNA-SF)を用いて栄養障害の有無を評価後,この成績をゴールドスタンダードとしてMNA-SFを構成する各課題の栄養障害に対する診断精度を検討した.次いで,この中から2つの課題,すなわち,1.「過去3カ月間で体重の減少がありましたか?」,2.「BMI/ふくらはぎの周囲長」の組み合わせで,対象を「体重減少なし」および「BMI 23以上もしくはCC 31 cm以上」を栄養障害なし(正常対照群),それ以外を栄養障害あり(栄養障害・危険群)の2群に分類し,臨床像,血液マーカー成績を比較するとともに,2課題の有用性や問題点を検討した.結果:MNA-SFスコアは12名が3~7点,68名が8~11点,83名が12~14点に分布していた.MNA-SF 12点以上を正常とすると,2課題の診断精度は感度91.3%,特異度63.9%,陽性反応適中率70.9%となった.2課題で識別された栄養障害・危険群は103名,正常対照群は60名あり,両群の平均年齢に差はなかった.臨床像では,食欲低下例,独居例が栄養障害・危険群で,足首浮腫例が正常対照群で多かった.身体計測では栄養障害・危険群で体重が低かったが,両群ともWall-occiput test陽性例が少なくなかった.血液マーカーでは栄養障害・危険群でプレアルブミンが有意に低く,リンパ球低値例,脱水状態(BUN/Cr 25以上)例が多い傾向にあった.結論:低栄養に対する2課題の統計値は高く,CGA短縮版中の簡便かつ有用なスクリーニング課題であると考えられた.しかし,高齢者では脊柱後彎,下肢浮腫,脱水状態がみられた点で,身体計測値には注意を払う必要がある.<br>

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